【ネタバレ注意】燕は戻ってこない(桐野夏生)感想

雑記

『燕は戻ってこない』(桐野夏生著)を読了したので、あらすじと感想をまとめたいと思います。

がっつりネタバレしているので、未読の方はご注意ください!

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【ネタバレ】あらすじ

まとめると、東京の暮らしで困窮した女性が代理出産で報酬を得るが、出産した双子のうち1人を連れて姿を消す、という話です。

途中でとめられずに一気読みしました。

主人公のリキは29歳で北海道出身。
仕事が続かず田舎から東京へ、しかし非正規の仕事しかなく、家賃を払うのも精一杯。

友達のテルから高報酬の卵子提供の話を聞きクリニックに行ったところ、代理母にならないかと持ちかけられる。
理由は、子どもを望むもっくん(名前忘れたw)夫婦の奥さんにリキが似ているから。

迷っていたリキですが、お金がないこと、アパートでのジジイに絡まれる一件がきっかけとなり承諾します。
アパートの件は恐怖なので省略します。
男はスルーするのに女には注意するジジイ、わかりすぎる…。

夫婦と契約してからもリキは悩みます。奥さんの言った、これは対等なビジネスなのかしら?という言葉にモヤモヤ。もっくんとは人工授精のため書類結婚しています。

北海道に里帰りするとき、もっくんから行動に注意するようにと命令のようなメールが届き、モヤモヤと怒りでタガを外したリキは昔の不倫相手の主任、風俗の沖縄出身の男と関係をもちます。(この件は後にもっくんにバレます)

奥さんの友人・りりこ(金持ち)の家に住み込み仕事を手伝うリキ。もっくん夫婦の離婚騒動や風俗男の沖縄帰りなど、小事件の後で男女の双子を出産します。

結局遺伝子検査はせず、もっくん夫婦は誰の子であっても育てるという決意をします。

母乳を飲ませるため、最初の1か月はリキが双子の面倒を見る。

その後は夫婦に双子を渡すという約束でしたが、リキは女の子の方を連れてりりこの家を出ていきます。行く当てもないまま、もっくんとの離婚届にサインだけして・・・。

感想

もっくんの子どもへの執念はどうかと思いますが、部分的にはわかる。結婚していれば、もっくん母の言うように遺産の問題もある。

その点不倫相手の主任はしょうもない男ですが、自分の遺伝子うんぬんよりは「奥さんの遺伝子をミックスしたらどうなるかな」と意外とまともな発想の持ち主です。

りりこの男性嫌い、はちゃめちゃなキャラが面白かったです。つきぬけた価値観を持ち続ける人は、人に迷惑をかけなければかっこいいと思う。

最後に双子のうち1人を連れて行ったのは、1人をもらってようやく「ビジネスとして対等」と感じたのではないかと思います。

赤の他人の子を妊娠、出産って、確かに1000万じゃ安い気がします。

女の子にしたのは、女である喜び(?)、苦しみをわかち合えると思ったのでしょう。

しかし貧困の未来が目に見えているので、母子密着などの不健全な関係に陥りそう・・・。

住民票はどうするんだろう?とまっさきに思いました。あまりに悲惨な生活だと、女の子が大きくなったときに「もっくんの家の方がよかった」となりそう・・・。

楽しい話ではありませんが、ハラハラしました。

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